REXtac APAOも最適!樹脂改質とは?改質剤の効果とは?

2018.12.28

樹脂改質とは?

樹脂改質とは言葉の通り、樹脂を改質する=すなわち樹脂の性質を改めることを意味します。
既成の樹脂を異なる組成の材料と複合化して、樹脂の弱点を克服させたり、機能を高めたりすることができます。

樹脂改質には以下の3つの方法があります。

1.共重合

2種類以上のモノマー(重合を行う際の基質)を同時に重合させて生成します。
重合されたものをポリマーとよびます。

1種類のモノマーを重合したポリマーの例としてはポリエチレンやポリプロピレンなどがあります。
接頭語になっている「ポリ」はポリマーのことを指します。
2種類のモノマーを重合したポリマーをコポリマー、3種類を重合したポリマーをタ―ポリマーと呼びます。
具体的な例としては、スチレンゴム(スチレンとブタジエンの共重合)などがあります。

2.ポリマーアロイ

ポリマー同士を混ぜて新しいポリマーを生成します。
単純に複数のポリマーを混ぜても相分離するので、相溶化剤を使って分離を防いだり、一方のポリマーを細かくつぶして分散させるなどの処置を行っています。
具体的な例としては、外装部品などで使われるPC/ABSアロイ(ポリカーボネートとABS樹脂)などがあります。

3.コンパウンティング

さまざまな配合剤を組み合わせて、特性を生み出します。
プラスチックのベースとなる樹脂に強化材(充填材)や添加剤(配合材)を配合します。
通常、プラスチックは成形にて製作することが多いですが、作業性の点で熱可塑性樹脂はペレット(粒)、熱硬化性樹脂は粉末状で供給されます。

改質剤とは?

改質剤=添加剤とも言えます。
プラスチックに何らかの添加物をいれるということは何かを変えるためでなので改質剤と添加物は同じと考えてよいです。
添加剤には、着色剤、強化剤(ガラスフィラーなど)、滑剤、安定剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤などがあります。
世の中に用いられている多くのスーパーエンジニアリングプラスチックは単純なポリマーではなく、機械的に強化されていたり、着色されていたり何らかのコンパウンティングを含んでいます。

改質の効果と用途とは?

樹脂改質は用途にあわせた改質剤が用いられます。
ここでは改質剤の例を紹介します。

難燃剤

デザインが重視されるようになった現在、外装部品に自由曲面など複雑な形状を安価なプラスチックで製作することが増えています。
外装が金属の場合は、仮に内部が燃えての外部に燃え広がるということはありませんでしたが、プラスチックだと話は別です。プラスチックは燃えない印象があるかもしれませんが、燃え広がります。
そこで例えば外装にプラスチックを用いる場合は、燃えることがあっても燃え広がらない(自己消化性といいます)特性が求められることがあります。
そのような場合には、難燃剤を含ませることで改質し、燃え広がらないプラスチックにすることができます。

ガラスフィラー(ビーズ)、金属フィラー(ビーズ)

プラスチックは変形しやすい、柔らかい材料ですが、強度が欲しいときにはガラスフィラー(ガラス繊維)やガラスビーズ(玉)、金属フィラーや金僕のビーズを含有させることで強度を増すことができます。
ただし、表面に繊維の模様ができたり見栄えが悪くなることがあります。

また含有物の量を調整することで、強度と見栄えを調整することも可能です。強度が欲しいけど軽くしたい、複雑な形状にしたい部品によく利用されます。

ゴム

プラスチックは耐衝撃性が悪い材料です。
割れやすい特徴がありますが、ゴム類を含有させることで、耐衝撃性を向上させることができます。

ゴム類を含有させることで耐熱性や耐湿気を向上させることもできます。
衝撃が加わることが前提である扉や扉の受けなどによく使われます。

APAOは樹脂改質にも適しています

REXtac APAOは、IRRやEPDMなどのゴムの改質や軟質PP、熱可塑性エラストマーの改質用途で使用されています。低粘度のAPAOを配合することで、発泡などの加工性や押出成形性が向上いたします。


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