軟化点やガラス転移点とは?APAO製品の用語をご紹介します!

2019.3.27

今回はRextac APAOの製品一覧やグレード一覧の表の中で使用されている文言についてご紹介します。

軟化点

軟化点とはガラスや樹脂などの物質の温度が上昇し、変形し始めるときの温度のことをいいます。
融点は「完全に液体になった状態の温度」のことをいいますが、工業的には完全に液体になる温度よりも軟化して変形し始める温度である軟化点をよく使います。
実際、軟化し始めたら機能を満たさないケースが多く、軟化しはじめたかどうかに注目することが多いです。ホットメルト接着剤は軟化点より高い温度にあたため、軟化した状態で接着します。

軟化点が高いと耐熱性に優れているといえますが、ホットメルトのように軟化点以上の温度で機能をみたす場合は、生産現場で高温にしなければならなくなり、作業性は悪くなります。
逆に軟化点が低い場合、ホットメルトのような用途では作業性が良くなりますが、わずかに温度が上がっただけで軟化してしまうので、製品に採用するのが難しくなります。

ガラス転移点

樹脂はある温度以上になると分子が運動しやすくなり、軟質のゴム状になります。
逆に冷えると分子の運動が制限されるので、硬質のガラス状態になります。このガラス状態になる温度のことをガラス転移点といいます。
融点は完全に融ける温度を意味しますが、ガラス転移点は性質が変化する温度を指し、見た目には変化を感じないことが多いです。
ガラス転移点を持つ物質は、合成樹脂、天然ゴムなどの高分子、ガラスなどがあります。

代表的な樹脂のガラス転移点はPEEK:約140℃、PP:-20℃程度、PVC(塩ビ):約80℃となっています。
ガラス転移点が高ければ高いほど耐熱性が良いといえますが、耐熱温度<ガラス転移点とは限りません。ガラス転移点を超えてもすぐにドロドロになるわけではなく、要求されるスペックによっては使用することも可能です。

オープンタイム

オープンタイムとは、接着剤を塗布してから被着材を貼るまでの時間を意味します。
接着剤は塗布してすぐに貼り付けるタイプもあれば、塗布してからしばらく置いてから貼り付けるタイプもあります。しばらく置く時間のことをオープンタイムといいます。

例えば、接着するために湿気(水分)が必要な接着材があります。接着剤を塗布してすぐに貼り付けてしまうと十分な湿気を吸うことができず、十分な接着強度が得られなくなります。
オープンタイムが短い接着剤は、塗布してすぐに貼れますが長い接着剤は作業時間が長くなります。その分、接着強度が強い傾向にあります。一般的には柔らかい接着剤が多く、表面に凹凸があったり皮など貼り付けにくい材料の接着にオープンタイムが長い接着剤が使われます。

破断強度

破断強度とは、ファイバーなどの繊維や皮を破断させるために必要な引っ張り荷重を意味します。
通常、破断強度はkgfもしくは、幅で除したkgf/mmが用いられます。

破断強度が高いというと引っ張ってもちぎれない、逆に低いというと引っ張ると簡単にちぎれてしまいます。
例えば、ファイバーなどは樹脂に含有させることで、機械強度を高めます。ファイバーの性質がその材料の特性に大きく影響します。機械強度を高めたい場合は、破断強度が高いファイバーを使います。
また、接着剤の強度を示す場合もあります。

接着した物質同士を引っ張りあって接着面ではがれる強度を指します。しかし、接着剤の仕様書には破断強度ではなく接着強度が掲載されていることが多いです。
それは、接着の場合、温度や湿度、劣化による強度低下や繰り返しの引っ張りによる破断、接着剤の膜厚などのバラツキなどが入るため、理論的な破断強度の結果と合致しないことが多いためです。

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