ホットメルトの耐熱温度は?軟化点や熱安定性の特徴とは?

2018.11.4

ホットメルトは加熱溶融させ、冷却硬化によって接合する接着剤です。
一言にホットメルトといっても様々な種類のホットメルトが存在します。
本記事ではホットメルト接着剤の耐熱温度やそれにまつわる特徴などをご紹介します。

接着剤の軟化点とは?

ホットメルトは専用のアプリケーターを使って固形の材料を加熱溶融させてから塗布を行い、冷却硬化させます。
軟化点とは、加熱溶融させるときの接着剤が固体から液体に変わる境界温度域のことを指します。軟化点が低いホットメルトほど低温での接着が可能になります。軟化点はJISK-2351に基づく環球法によって測定されます。

JISK-2351:軟化点測定方法の概要

規定の環に試料を充てんし、熱媒体浴中に水平に保持します。
試料の中央に規定質表の球を置き、浴温を規定の速さで上昇させたとき、試料が軟化し球の重みで試料又は球が環台の底板に触れたときの温度を軟化点として測定します。

ホットメルト接着剤の軟化点とは?

ホットメルトの軟化点は80~150℃と比較的低めです。
高温にする設備などが不要なため、生産現場で使いやすい接着剤となっています。
ホットメルトの中でも材料によって軟化点が異なります。
EVA系は80~110℃、PO系は100~150℃、ACR(アクリル)は90℃、PA(ポリアミド)は150℃です。

接着剤の熱安定性とは?

ホットメルトは加熱して使用するため、継続的に加熱しても変質してはいけません。熱安定性が良いホットメルトとは継続的に加熱しても変質しないため、ゆっくり接着作業をすることができます。逆に熱安定性が悪い接着剤は継続して加熱すると変質して接着特性が悪くなるので短時間で接着を完了する必要があります。

一般的な試験方法はホットメルトを180℃のオーブンに入れて経時的に粘度と色相変化を測定します。
ホットメルトの仕様としては、熱安定性ではなく、接着可能時間として表示されます。接着可能時間が長い=熱安定性が良いと言えます。

接着剤の耐熱温度とは?

耐熱温度とは、ホットメルト形接着剤を使って接着した部品に熱を加えたときに接着状態を維持できる最高温度のことを指します。
同一の接着剤であっても接着条件や接着の状態によって耐熱性の限界が異なります。

また接着対象物によっても耐熱性が異なるので注意が必要です。
一般的に耐熱温度は軟化点より20℃以上を引いた温度に設定されることが多いです。

ホットメルトの耐熱温度とは?

軟化点が80~150℃となっていることもあり、耐熱温度は50~100℃となっています。
EVA系は50~65℃、PO系は60~100℃、ACRは55℃、PAは105℃となっています。軟化点が高いホットメルトは耐熱温度も高い傾向があります。


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